~ラロヘンガ・遺跡~ |
シグ |
(驚)
なんだこりゃ?
ヨロイ? |
バルザム |
(通常)
こ、これは…!? |
ヤード |
(通常)
せ、せせせ、センパイっ!? |
シグ |
(驚)
な、なんだ?
おまえら、これ知ってんのか? |
ヤード |
(通常)
だ、旦那サマ… |
バルザム |
(通常)
バカな!!
なぜ…ここに
このようなモノが…
よ、よもや…
この世界は…
しかし! まさかそのような!
…いやいや…
あり得ぬとは言えん…
むしろ…そういうことも…
ある…やもしれんな。 |
シグ |
(困)
お~~~い? |
バルザム |
(通常)
少年。
こやつ、動くぞ。 |
シグ |
(驚愕)
ええっ!? |
バルザム |
(通常)
細かい違いはありすぎるほどあるが
大まかに言えばヤードと
同じ仕組みで動くモノのはず。
ならば、同じに
動かすこともできよう。 |
シグ |
(笑顔)
ほ、ほんとか!?
すげえ!! |
バルザム |
(通常)
ヤードよ。 |
ヤード |
(通常)
はいはい、旦那サマ! |
バルザム |
(通常)
ふむ…ふむ…
ほほう…なるほど。
完成度の差は絶望的だが…
基本原理は私が学んだものと
さほど違っておらんな。 |
シグ |
(驚)
学んだって…
(真剣)
発明じいさん!
もしかしてあんた…
ラロヘンガになっちまう前の
元の世界から… |
バルザム |
(通常)
何を考えておるかはわかるが
違うと言っておく。
私はグレイリッジの近くにあった
小さな村の生まれだ。
他の世界から来たのではない。
…が、若き日の私に
この技術を教えてくれた師が
どうであったかは知らん。 |
シグ |
(驚)
師って…先生? |
バルザム |
(通常)
ヤード、そこではない!
もっと右を押さえるのだ! |
ヤード |
(通常)
は、はい! 旦那サマ! |
バルザム |
(通常)
師は今の私でさえ全く足下にも及ばぬ
膨大な知識と技術を持っていてな。
ただの愚かな小僧であった私に
惜しげもなく教えてくれた。
ただ、己の出自だけは
最後の最後まで
語ってはくれなかったがな… |
シグ |
(驚)
じいさん… |
バルザム |
(通常)
…こんなところか。 |
ヤード |
(通常)
さすが旦那サマですド!
お見事ですド! |
シグ |
(驚)
もうすんだのか? |
バルザム |
(通常)
損傷はほとんどなかったからな。
私がしたのは調整だけだ。
では…動かすぞ。 |
異形の像 |
(通常)
…オ…
オオオオオオオ… |
シグ |
(驚愕)
ほ、ホントに動いた!
すげえ!! |
ヤード |
(通常)
せ、センパイ!
よかったですド! |
異形の像 |
(通常)
…始動確認…
状況認識開始… |
バルザム |
(通常)
何がどうなったのか
自分でわかるか? |
異形の像 |
(通常)
…内部記録に複数の欠落…
しかし推論にて補完可能…
本機の属した世界はすでに消滅。
当領域のみが他世界に融合。 |
シグ |
(驚)
あ… |
バルザム |
(通常)
…そのとおりだ。 |
シグ |
(真剣)
そこまでわかるのか?
結局おまえ、何なんだ? |
異形の像 |
(通常)
本機は
対異界侵蝕者迎撃用試作擬体7号機。 |
シグ |
(困)
…は? |
バルザム |
(通常)
一なる王を迎え撃つために
試作されたカラクリ人形の
7体目という意味であろう。 |
シグ |
(驚愕)
一なる王を!? |
異形の像 |
(通常)
肯定。
しかし上層部はより有効と
推測される兵器の開発に成功。
本機の実戦投入は凍結された。 |
バルザム |
(通常)
その、より有効と
推測される兵器とやらのせいで
自滅したわけだな。 |
シグ |
(真剣)
そっか…
(通常)
じゃあ、えっと…
さっきからホンキホンキって
言ってるけど、おまえの名前か? |
異形の像 |
(通常)
否定。 |
バルザム |
(通常)
本機というのはこやつ自身のことだ。
私、俺、などと同じ意味と思えば良い。 |
シグ |
(驚)
そうなのか?
じゃあ、名前は? |
異形の像 |
(通常)
本機に正式な個体識別名は
与えられていない。
開発段階では仮に
ザインと呼称されていた。 |
シグ |
(笑顔)
ザイン、か…
いいじゃねえか!
オレも今からそう呼ぶぞ? |
ザイン |
(通常)
了解。
本機は仮称ザインの
継続使用を受諾する。 |
シグ |
(真剣)
よし、ザイン!
おまえ、これからどうしたい? |
ザイン |
(通常)
質問意図、不明確。 |
シグ |
(困)
え~~~?
わかんねえかなあ? |
ヤード |
(通常)
センパイ、一なる王と戦うために
造られたと言いましたド。
この世界にも、一なる王を
呼び出そうとしている組織が
あるですド! |
ザイン |
(通常)
了解。
本機の最優先目的は
一なる王の出現阻止。
最優先目的の達成に失敗した場合は
目標の撃退、もしくは撃滅。
以上。
前世界における任務を継続。 |
シグ |
(真剣)
…それでいいのか?
それがおまえのしたいことか? |
ザイン |
(通常)
肯定。
本機は本機の存在理由を
まっとうすることを希望する。 |
バルザム |
(通常)
おまえが何を気にしているかは
わからんないでもないが…
安心するがよい。
こやつは決して
造った者の命令に従うと
言っているのではない。
自らそうしたいと望むから
そうするのだ。 |
シグ |
(笑顔)
わかった! ならいい!
(真剣)
ザイン!
オレたちの目的も
おまえとおんなじだ!
来いよ!
一緒にやろう! |
ザイン |
(通常)
…検討…
状況の不確定性…
本機単体での任務達成可能性…
協力者の必要性…
結論…同意。 |
シグ |
(笑顔)
よぉし!
それじゃ、よろしくな! |
ヤード |
(通常)
センパイ!
よろしくですド! |
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『ザイン』が仲間となった |
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